ゴマに含まれるセサミンとエピセサミン
肝機能サポートなど様々な効果から名を知られるようになったセサミンですが、エピセサミンという成分はご存知でしょうか。名前からセサミンの仲間であることはなんとなく想像がつくかと思います。ゴマに含まれるセサミンとエピセサミンについてご紹介します。
セサミンとエピセサミン
昔から健康に良いといわれているゴマには、植物性食品の中でもトップクラスの栄養が含まれています。ゴマの成分は50%が油分、20%がたんぱく質、残り30%がビタミン、ミネラル、食物繊維です。ゴマから摂れる油分、ゴマ油は酸化安定性が非常に高いことが知られていますが、その酸化安定性はゴマリグナン類という抗酸化作用のある成分が大きな役割を果たしているのです。セサミンとエピセサミンはいずれもゴマリグナンの一種です。
精製の過程で生まれるエピセサミン
ゴマ由来の成分であるセサミンとエピセサミンですが、実はエピセサミンはゴマ種子中には存在しない成分です。セサミンはもとからゴマ種子中に含まれていますが、その割合は0.3~0.5%程度とされています。エピセサミンは、ゴマ油の抽出精製過程において、セサミンの化学構造がわずかに変わること(エピマー化)により二次的に産生される成分なのです。精製されたゴマ油にはセサミンとエピセサミンが1:1の割合で含まれているといいます。
エピセサミンの効果とは
肝臓機能の増強、アルコール分解促進作用に加えコレステロール低下作用、乳がん細胞の増殖抑制効果など、様々な作用が報告されているセサミンですが、わずかに構造の違うエピセサミンには効果に違いがあるのでしょうか。
セサミンよりも高いエピセサミンの作用
セサミンとエピセサミンの作用に違いはあるのか、ラットを用いた実験が行われました。それによると、セサミンとエピセサミンの混合物を経口摂取させ、それぞれの体内分布を調べたところエピセサミンの臓器移行量はセサミンの2倍以上であったと報告されています。また、肝臓における各活性の増加の程度についてもエピセサミンはセサミンより大きいものを示したということです。
製品化の可能性も
このようにセサミンよりも高い効果を示す研究結果が次々と発表されたことから、エピセサミンをより高濃度で生成する技術の開発も進んでいるようです。通常の製造方法ではセサミンとエピセサミンは1:1の割合、つまりエピセサミンは全体の50%程度しか得られませんが、それを60%、70%と引き上げていく方法も研究されています。エピセサミンの濃度が高い製品が発売される日もそう遠くないのではないでしょうか。
セサミンよりも高い効果が期待できるエピセサミンですが、ゴマの種子中には含まれていないことから、意識的に摂取したい方はゴマ油を摂るようにするとよいでしょう。サプリメントは通常中身が油の形状ですので、エピセサミンが含まれていると考えられます。上手に活用されてみてください。